高田義裕の人生論

今日の箴言

本来、何も知らない愚かな者に対してのみ、初めて知識や知恵という形で呼ばれる賢さというものが必要とされ、有効とされるのである。よって逆に言えば、何でも知り得ていて、自分の必要なものをすべてわきまえているならば、知識や知恵と呼ばれる賢さなど、全く必要でなく、無駄なものなのである。よって、自分には知識や知恵があり、賢いと誇っている者は、自分が愚か者であることを声高らかに宣言し、自分の愚かさを誇っている者なのである。

2.人間は正しくなろうとしてはいけない。現実は、自分の弱さを捨てようと努力したり、また、自分の弱さを克服しようとしたりすることは、非現実でナンセンスなことなのである。そのような夢物語の理想論に騙されてはいけない。実際には、人はあくまでも、弱さを持っていることは当然のことであり、それこそ、本来の正しい状態なのである。よって、自分にとって、できればあって欲しくない自分の弱さを捨てようと努力するのではなく、自分なりに工夫をして、自分の弱さと対自し、上手に自分と共存させ、付き合って行くことこそ、真実であり、人の本来の真っ当な姿なのである。

3.誰か一方の満足の為に、他方が満足できないという、どちらか一方だけに偏って良い、という状態であっては決してならないということであり、むしろ、他方が喜べば、もう一方も喜び、他方が悲しめば、もう一方も悲しむというものでなければならないのである。よって人間は、他の人より勝る為に競争するのではなく、互いに相手の必要を顧みる点で競争すべきであるのである。

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