高田義裕の人生論

今日の箴言

題名    わずかしか貰わない者が最後には、多く貰う事になる。

[解説]

現実社会において、多く稼いでいる者と少なく稼いでいる者がいる。それでは、全人生という長いスパンで考えて、生涯でどちらの方が多く稼ぐだろうか。もちろん多く稼いでいる方に決まっている、とあなたは言うであろう。ところが実はそうでは無い。例えば、ある人は年収が1000万あるとしよう。そしてもう1人の人は年収が180万あるとしよう。ひと月に換算すると、多い人は月83万も貰っている。それに対し、少ない人は月15万しか貰っていない。この状態は長く続くと思われていた。しかし、現実はそう甘くは無かった。リーマンショック並みの不景気が突然起きたのである。多く貰っている人も、少なく貰っている人も共に職を失った。年収1000万あった人は、毎月の生活費が収入に応じて高かったため、一気に生活レベルを下げなければならなくなった。それだけならまだ良いが、月83万の収入の内、70万以上の支出があったため、収入がマイナスに転じた。それで彼は借金を背負わなければならなくなり、コツコツ貯めておいた貯金を取り崩すほか無くなった。そして少しの間は持ちこたえたが、貯金もわずかになり、彼は再就職の道を進まざるを得なかった。必死に仕事を探してもなかなか見つからず、ようやく仕事を見つけたが、その収入は月でわずか15万円であった。彼はその金額では、毎日食べていくのが精一杯で、貯金する余裕も無かった。それに対し、年収180万円の人は、職は失ったけれども、毎月15万の生活費の中から5万円ずつコツコツと貯金していたので、暮らしは以前ほど変わらず、そんなに苦しくは無かった。それに、毎月15万円くらいの給料の仕事なら、探せばいくらでもあったし、借金も無かったので、余裕を持って良い条件の仕事口を探す事が出来た。新しい職場は、なんと月に22万円の収入があった。昔より7万円もアップしたのだ。そうして彼はその7万円を毎月5万円ずつ貯金していた通帳に加えて、合計12万円も貯金出来るようになった。どうであろう。日頃多く稼いでいる人は、日々の生活も贅沢にしがちであり、突然の災難の時には一気に転げ落ちてしまうのである。しかし、日頃多く稼いでいない人は、日常の生活も切り詰めて質素に暮らしているから、突然災難に遭っても、普段の生活にそんなに大きい変化も受けずに安定しているのである。すなわち、多く稼ぐ者はまた、いざという時には、多くを失うのであり、その損失もまた大きい。しかし、わずかしか稼がない者は、いざという時にはわずかしか失わないのであり、その損失もまた小さいのである。

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