高田義裕の人生論

今日の格言

地球の臨界点

ある深い谷底に1本の木の橋げたがかけてあった。その上にはたくさんの人々が行き来して生活していた。人々は毎日忙しくせっせと働いて嫁いだり、娶ったりしていた。そして膨大な量の金や銀を掘り出しては自分達の橋げたの上に積み上げるのであった。しかし誰もその木の橋げたの積載重量の限界値を知らなかった。ある日橋げたの事を調べていた職人が橋げたの隅に小さく書いてある文字を見つけた。そこには積載重量限界1000kgまで、と書いてあった。それを見た職人は慌ててたくさんの人間の数の総重量や人々が積み上げた金や銀の総重量を全部総合して足し算した。すると橋げたの上に乗っている総重量は999.9kgであった。それを見た職人達は皆青くなって、すべての人々にもうこれ以上橋げたの上に金や銀を積まないよう警告した。なぜならあと10gで橋げたの限界積載量を超え、橋げたがそこで突然音を立てて張り裂け、すべて橋げたの上にいる人間や金や銀が奈落の底めがけて落ちていく段階に達していたからである。しかし人々はだいぶ以前から橋げたの木の板がキシキシ音をするのを聞いていたし、再三、橋げたを調べている人達からこれ以上金や銀を積まないよう警告を受けていた。それでも人々はまだまだ橋げたの木の板は大丈夫だろうと楽観的に考え、金や銀を儲けるための商売を止めようとはしなかった。そこである日、大金持ちの蔵にいつものように金を積み上げようと蔵の作業員がたった10gの金を乗せたところ、突然世界全体が激しく音を立てて揺れ、すべては崩れ落ち、瞬く間に奈落の底に落ちていった。これによりすべての人間は死に絶え、金や銀も夢のもくずと消えたのである。

(解説)

一本の橋げたとは、地球のことであり、大地の事である。すなわち私達の生活を土台の様に支えている自然環境の事である。そして金や銀を儲ける商売とは、私達人間の普段の生活の営みを表している。しかし人々が自分達の生活をより豊かにし、より便利なものにしようとすればするほど、一本の橋げたという自然環境は破壊されていく。すなわち金や銀の重みで次第に歪曲する橋げたの様に、人間の貪欲な経済的利潤の追求のゆえに大気中に大量の二酸化炭素やマイクロプラスチックスを放出する。そして近年、世界規模で自然災害が大量に発生し、人々の生活は支障をきたし始めている。それでも私達はまだ地球の自然環境は持ちこたえるだろうと安易な考えのもとに自分達の贅沢で便利な生活を止めようとはしない。そしておそらくもう10年ももたない近い将来、地球の臨界点、すなわち我々の生活の営みを支えてきた自然環境を支える限界値は限界を超え、地球は人間の住めない場所となるであろう。そうである。金や銀という富も自然環境あってのものであり、それを下支えする地球環境が壊れて我々が生活する事が出来なくなれば、元の子もないのである。人間というものは愚かなもので、地球が住めないほどになり、手遅れになって初めて自分達の過ちに気付くのである。そう、近い将来、人々は金や銀など自分達の命を守るために何の役にもたたない事を知り、金や銀をちまたに捨てるであろう。そうして全人類は自らを滅びに至らせるのである。

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