高田義裕の人生論

今日の格言

どんなに正しいことも集団と化すと害悪を生じさせる。

どんなに正しいこともそれを個人レベルに留めておけば、何の問題もないのであるが、人々はどうしても正しい事は他の人々にも知って欲しいと思うものだ。例えば、キリスト教においても、個人レベルで聖書を読み、聖書の聖句を正しく適用し、自分に当てはめて生活する分には、何の問題もない。しかし、ある時、カリスマ的宗教指導者が現れて、自分の考えなり、価値観を自分だけに適用するに留まらず、他の多くの人々にもそれを感化させようとする。そして、それに賛同した人々は次第に数が増え、1つの大きな集団と化す。すなわち、組織化するのである。すると、そこにはどうしても集団を1つにまとめる為の規定なり、規則が必要となる。それが問題なのである。人間1人1人は顔が全く違うように、考え方や価値観は全く異なる。それを無理矢理、1つの宗教教理という規定や規則で人々を縛ってしまうのである。すなわち、突然、大勢の人が規律正しく整理され、まるで軍隊のようになるのである。当然、その宗教団体以外の人々はものすごい威圧感を受けるのである。人間個人なら、どんな価値観を持っていても、他の人々はその人に威圧感は感じないのである。多少、変わった人だ、と変人扱いされてそれでおしまいなのであるが、これが集団と化すと、人々はその集団を脅威に感じて、警戒するようになるのである。そう、すなわち、その宗教組織の信者とそうでない人々の間に軋轢や争いが生じてしまうのである。例えば、アメリカにエホバの証人というキリスト教組織がある。彼らは自他共に認めるクリスチャンでは無く、あくまでも自称クリスチャンである。世界中に多くのクリスチャン組織はいっぱいあるが、その人達は自分達が唯一の真のクリスチャンだと自負している。確かに彼らの行っている事はきちんと聖書を読み、それを正しく解釈し、自分の生活に聖書の教えを適用しようとする誠実な態度が見受けられる。そこまでは良いのだが、彼らは他の人々にその宗教教理をできるだけ広めようとしている。そう、彼らの理想は全世界のすべての人々が自分達のようなクリスチャンになる事なのである。ここが問題なのである。この多様性に満ちた世界にいろいろな価値観や考え方があっていいのに、すべての人々が聖書を読み、それを正しく適用して生きるべきだと言い張るのである。そんな事は現実としては遥かに難しい事であろう。リンゴやみかんやオレンジやパインやスイカやメロンとか果物にはいっぱい別々の種類の果物があって当然なのに、彼らはすべての果物はレモンにならなければならないと言っているのに等しいのである。これは多様性を愛する神エホバの考えと一致しない。すべての人間が神エホバに従う事など出来ないのである。神に従う人もいれば、神に従わない人もいて当然なのである。また、彼らの宗教信条には、国家斉唱をしないというものがある。多分彼らは、その組織の発生時期が、ちょうど、第一次世界大戦や第二次世界大戦の時期に当たるので、国家主義、すなわち国粋主義(ナショナリズム)の悪影響をモロに受けた結果、国家斉唱をしないという価値観が生まれたのであろう。なぜなら聖書には国家斉唱をしてはいけない、とは何処にも書かれていないからである。確かに極端な愛国主義は偶像崇拝であるが、国民が普通に感じている愛国心というものは、決して間違ってはいない。なぜならすべての国民は自分達の国があるお陰で普通に生活できるからである。もし、国家という傘下の中にいなかったら、人々は難民となって行き場を失うのである。この耐え難い苦しみはイスラエルのユダヤ人達が一番よく理解している。例えば、あなたがAアパートに住んでいるとすると、あなたは年数が経つうちに、自分の住むAアパートという部屋に愛着を持つのは至極、当然な事なのである。これがA国だとしたら、自分の住むA国に愛着を持つのは決して間違っていないのである。しかし、もしA国、すなわちAアパートの大家がBアパート、すなわちB国に戦争をしかけて彼らを殺して来い、というなら、それは全く別問題である。そう、国の為に命を捨てよ、もしくは他の国の人々を殺せ、というのは全くの間違いであり、それは極端な愛国心であり、それはナショナリズム(国粋主義)という狂気であり、偶像崇拝なのである。なぜなら聖書には人を殺してはならないと書いてあるからである。どんな理由も人を殺す正当な根拠とはなり得ないのである。よって、たとえどんなに正しい事でも個人レベルでは無く、集団レベルで行うと、人々は戦争を引き起こしてしまうのである。いや、たとえ戦争を起こさなくても、日常生活での人々の間に軋轢や争いなどの問題が生じ、お互いが苦しい思いをする事になるのである。よって正しさとは集団化してはならないのである。

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