今日の箴言
およそ、義に適う事が、人間の最大の目標だと思う事があるかもしれないけれども、確かに、聖書には、自己自制や良い行いについてそれを行うべきであると書かれてあるのには違い無いが、必ずしもそれを最終目的にせよ、と書かれてある訳では決して無いという事である。すなわち、神は最初から、人間達に少しも良い行状を示し求めている訳でも無ければ、より立派で、より規準の高い、義のレベルに到達するよう要求しておられる訳でも決して無いという事である。人間を含めたすべての生きとし生けるものとは、その性質上、本来ただ自己欲求を満足させるだけの存在であり、それ以上立派でも無ければ、それ以上愚かである訳でも無いのである。よって、あくまで、生き物の世界にあるのは、自分の当然の欲求を不当に、不自然にも抑圧したり、我慢したりする事では無く、ただあるのは、互いの全く同等の立場である人間同士を尊重し合い、ギリギリのラインである、話し合いで、互いの協定ライン、もしくは妥協ラインを決定して行くコミュニケーションの営みの繰り返しだけなのである。そこに何が正しくて何が悪いかなどという立派な議論など入る余地も無いのである。