高田義裕の人生論

今日の箴言

あなたは自分にはどれだけの長所があると思っているであろうか。多分かなりの数があると感じているに違い無い。またあなたは自分にはどれだけの短所があると思っているであろうか。おそらくあなたは自分には短所など無いのでは無いか、今の自分はこれで普通だから、と感じているのではないだろうか。しかし実際にはあなただけではなく、私も含めて、すべての人間は短所だらけなのである。私達は優柔不断であり、怠け者であり、わがままであり、誇り高く、高慢であり、嘘も平気でつくし、短気であり、約束した事に不忠実で、相手の不満ばかり言っているし、ろくなものではないのである。普通この状態では、厳しい人生を渡って行けない。しかし、私達は何とかこうして生きている。それは何故か。それは私達一人一人に、神がただ1つだけ良いところを与えて下さったからである。例えば、あなたには人に何を言われてもほとんど気にならない鈍感な性格の持ち主かもしれない。悪く言えば無神経な人とも言えるが、良く言えば、並大抵の事ではへこたれない図太い精神力を持っているのである。また別の人は、周りの人達の心の状態を機敏に感じ取る神経の細かい持ち主かもしれない。これは人の気持ちがよく分かる分、気を使い過ぎてノイローゼになってしまう可能性もあるが、その人はその方向には行かず、周りの空気をよく読んで、上手な人間関係を保つ能力を持っている。そうである。私達の99%は悪く、1%だけ良いものを持っているという状態なのである。よって私達はその1%の良いところがあるお陰で何とか生きていけるのである。誰も良いものを沢山持って、悪いところはほとんど無く、余裕のある状態では決して無いのである。私達は普段その僅かな1%の良い部分を無意識に巧みに操って、自分が相手の人に嫌われないように自分を防御しているのである。よって、私達のすべき事は、自分が持っていない良い面を持とうと努力しても無駄であるという事である。そんな決して実る事の無い無駄な努力をするのでは決して無く、むしろ、自分の持っている唯一の良いところをとことん鍛えて極限まで高める努力をすべきなのである。そうすれば、その努力は確かに実り、私達は何とか無事に人生を渡って行く事が出来るという事である。