高田義裕の人生論

今日の箴言

神学序説

人は、その親を敬い、それを愛さねばならない。なぜなら、目に見えるその存在無くしては自分が存在する事の出来なかった肉の両親を愛し、敬えない様であっては、ましてや、目には見えない神を愛し、敬うことなど出来ないからである。よって、自分は神を愛していると言いながら、目に見える仲間の人間を憎んだり、見下したり、殴ったり、殺したりしている者は、全くの偽り者であり、神の御名を冒涜しているのである。もし、神の名によって人殺しを正当化する事があるならば、神は彼を最も厳しく罰し、神の命の書からその名を拭い去られるからである。

2.この全世界の中で、最も偉大な事柄とは何か。それは、善行を行うこと、他の人を親切にすること、謙遜であること、他の人を敬うこと、などいろいろあるが、それに比べものにならない程、偉大なものがある。それは、諦めることである。鳥や動物達は、食物を得る為に、実に見事な能力と本能とを持って生きている。チーターは、最高時速100キロで走り、獲物を捕まえる。鳥は、何千キロもの距離を飛んで、移動し、渡りをする。それに対し、人間は、時速100キロで走ることも出来ないし、鳥のように飛ぶ事も出来ない。人間は他のあらゆる生き物から比べれば、遥かに劣った存在である。しかし、彼らには唯一、他のどの生き物にも持っていない素晴らしい特質がある。それは、我慢して諦める能力である。たとえ欲しい物があっても、お金が無いから、それを我慢して諦める。理想的な状態を思い描いて、精一杯努力したものの、遥か理想には届かなかった。それで人は、納得してそれを得ることを諦めるのである。他の生き物は、諦めるという事を知らない。彼らは食物を得られるまで諦めないし、生きる事に死ぬまで諦めない。しかし、人間は、たとえ空腹であっても、それを我慢して諦めるし、自分にとって掛け替えのない人間の為なら、自分の命を犠牲にして生きる事を諦めるのである。この一見無力の様に思える精神態度こそが、実は、一番人間を人間たらしめている偉大な特質なのであり、たとえ満ち足りていなくても、それで満足し、今ある物で生活し、生きようとする態度こそが、この全宇宙の中で最も全能な力なのである。まさに人間はこの物質世界にあって、他の生き物に対して神の様に偉大な存在なのである。なぜなら、聖書の創世記1章27節にあるように、[そうして神は人を御自分の像に創造してゆき、神の像にこれを創造された。男性と女性にこれを創造された。]と書かれているからである。

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