高田義裕の人生論

今日の箴言

神学序説

人にとって、本当に、誤った道から立ち直らせる唯一の方法は、ショック療法しかないこと。この世の中の教育は、何でも初めから失敗させないように、まるで、決められたレールの上を走る電車のような教育の仕方をする。あなたは、盗んではなりません、あなたは、人を殺してはなりません、などと毎日言い聞かせて、口すっぱく言うが、それを聞いている子供は、将来、何も盗まない、人も殺さない人間になるかと言うと、決してそうではない。人は成人すると昔の面影もすっかり無くなり、別人のようになってしまうのである。すべての人は皆、小さい時から教育を必ず受けているはずなのに、この世の中はいつまでも、盗みや殺人は無くならない。これはどうしてかと言うと、何故人は盗んではいけないのか、何故人は人を殺してはいけないのか、というきちんとした理由と説明をしないで、ただ、そうしてはいけないと言うだけだからである。ただ知識だけでそれを知っているだけでは、罪を犯す抑止効果とはならないからである。そうしてはいけない理由を実際に身をもって背負わなければ、人は、本当に罪の重さを悟る事が出来ないからである。そう、実際に身をもって背負うという事は、いっぺん罪を犯さなければならないという事である。例えば、ある人が、誰かを殺してしまって、何の反省も無いとしても、その仕返しとして、自分の大事な子供を殺されたとする。この時初めて、人を殺したその人は、殺人が如何にいけない事かを、身をもって知るのである。すなわち、人は、取り返しの付かない事をしてしまって手遅れになって初めて、自分の犯した罪の重さを知るのである。これこそ真の教育に他ならない。要するに、人生を失敗させないように育てても、それは無駄な行為なのである。人は失敗して初めて教えられるのである。何故こう言うのかと言うと、神エホバでさえ、御自分の目の玉に入れても痛くない程に、愛している人類という子供に対して、あえて人が神を捨てた事柄の代償を人類に負わせる事を許す事により、人類を間違った道から立ち直らせるショック療法(荒療治)を選ばれたからである。何故なら、神はモーセを通して人に律法をお与えになり、聖書の出エジプト記20章13節からある様に、あなたは殺人をしてはならない、あなたは姦淫を犯してはならない、あなたは盗んではならない、と書いてあるのである。しかし、これをもっと正確に言うならば、あなたは殺人をしてはならない、何故なら、あなたは必ず殺人をするからである、あなたは姦淫を犯してはならない、何故なら、あなたは必ず姦淫を犯すからである、あなたは盗んではならない、何故なら、あなたは必ず盗むからである、という事になるのである。すなわち、神は、律法を人類に背負わせる事によって、自分達の罪が必ず明らかになる様にされたからである。罪への自覚、これこそが真の教育なのである。

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