今日の箴言
旅とは自己回帰の行為である。毎日自分のうちにいると退屈になり、どこか新しいところへ行ってみたくなる。そこで人はいわば、一時的な家出をし、旅に出るのである。しかし、旅が終わりにつく頃、人々は旅の疲れを感じながら家路に着く。すると、必ず人はこう思うのだ。やっぱり自分の家が一番だと。こうして、人は自分に家があることの有り難さを再確認するのである。人生も旅と同じである。若い頃は好奇心に満ち、野心もある。人々はそれぞれの夢への実現を求めて、住み慣れた自分の家族と家を離れる。しかし、年齢と経験を重ねるにつれ、自分の夢はそうそう叶えられないことに気付く。よって、人はここでやっぱり自分の願望を、人との競争を通して無理に押し通そうとするよりも、人と仲良くし、人と人との平和な共存を築いていくことが、一番人間として大事なことだということに気付くのである。
