高田義裕の人生論

今日の箴言

最近、私達はAI、すなわち人工知能の事をよく話題にする様になった。特に議論されているのは、今まで人間の行って来た仕事が人工知能によって取って代わられるという危機感である。例えば、専門職の弁護士や税理士などといったインテリ型の職種が、人工知能でまかなえる様になるという意見である。しかし、私はその事に関して余り心配していない。なぜなら、人工知能は、ただ、事務的に仕事をこなし、何が一番効率がよいかという事を導き出す能力においては、人間はそれに遥かに及ばないが、効率性とか、最適化とかという理論ではない、より人間臭い、効率性とは程遠い分野においては、人工知能は人間には敵わないからである。例えば、思いやりの気持ちとか、同情心とか、情状酌量の余地などと言う数字では表せない観念の世界は、人工知能には理解出来ないからである。すなわち、仕事をする際、どうしても人間対人間の関係上、最終的には人間的な判断というものが必要不可欠になるからである。その様な泥臭い人間関係を潔癖で完璧な人工知能に分かる訳が無いのである。よって、近い将来、人工知能が仕事を肩代わりする様になっても、それは、複雑な計算上の処理だけに用いられて、本当の要の部分は、あくまでも、感情を持った人間が決定権を持つ事になるからである。

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