今日の箴言
人は皆、自分に不足している所、不完全さを、埋め合わせたり、捨てることに努力するのでは決してなく、あくまでも、それを、ただ、ありのままに受け入れる、もしくは、受けとめる勇気と素直さを培う努力をすべきなのである。よって、人の生き方とは、常に上を目指し、自分の欠点を取り除き、良い者になる、というやり方が人の生き方では決してないということである。むしろ、自分の欠点や不完全さを十分に認識し、それと共に共存してやっていける道を模索して行くことなのであり、自分の限界を知り、それに応じてやっていくことが、はるかに現実的で正しい方法なのである。例えば、ある病を抱えている患者が、自分の大金を叩いて、いろんな治療法を試しても、病は全く治らず、遂には、怪しげな治療法にまで手を出し、余計に持病が重くなるのと同様である。人は、そのような不確かで雲をつかむような、奇跡を期待するべきではなく、むしろ、持病と闘い続け、持病を治すという態度を捨て、上手に持病と共に付き合って行くことのほうが現実的で正しいことなのである。よって、すべての人が、いずれは良い基準にまで到達するべきであるという理想論的な考え方は間違っているのである。
2.人間はまず、父親(母親)であるより、夫(妻)であり、夫(妻)であるより、男(女)であり、男(女)であるより、一人の人でなければならないのである。