高田義裕の人生論

今日の格言

(題名)     悪の定義

悪とは何か。それは自分に理解出来ない事を理解出来る様になれるよう努力し続ける事を止める事である。すなわち、対話の中断、協議する事の放棄そのものである。この姿勢はこの多様性に満ちた世界にあって、すべての対象を自分にとって敵か味方かというたった2つの区分で分ける思慮に欠けた浅はかで大雑把な下等な考え方であり、それが結局のところ、争いを産み、人々は戦争を始め、殺しあうのである。この世の中は白か黒かで判断出来ないほどすべてが複雑に関連し合っており、敵か味方か、悪か善かなどと言う単純な要素で推し量る事が出来ないほど広大で深淵なのである。神が最初の人間アダムとエバに善悪の知識の木の実を食べないように命じたのは、この全世界の営みすべてを善か悪かで決める事は間違った事であるという事を人にはっきり示すものだったのである。であるから、人と人との人間関係において、相手の人間を自分にとって敵か味方かとか、自分にとって益になるか不利になるかという単純で無神経な価値基準で判断するのでは無く、もっと多様性に満ちた正確で緻密な考え方、すなわち相手の人間の事をもっと詳しく知ろうとする態度を培わなければならないのである。よって相手の人間の気持ちが自分には最初、理解出来なくても、そこで相手の事を理解しようとする努力を止めず、その人の事をもっと分かりたいという気持ちを捨てない事である。そうして行けば、いずれあなたは彼に対して、あの人は気難しいところもあるが、正直さでは私より上回っているという相手の良い面に気付かされ、頭ごなしにあの人は私の敵だ、などという考え方は何と不正確で早計で誤った判断だったのだろうと思い知らされるのである。

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