高田義裕の人生論

今日の格言

(題名)     AI(人工知能)は世界を制するか。

昨今、人工知能の事が盛んに話題にされている。人工知能のせいで人間の仕事が奪われるとか、最終的には人工知能が人類を支配する様になるとか、いろいろ危惧されている。しかしここではっきり言っておこう。人工知能はその完璧さ故に人間社会をコントロールする事は絶対に出来ないと。人工知能とはとにかく効率を最優先にし、無駄を排除しようとする。すなわち、一番最適の答えを見つけようとする宿命を持っている。これこそが人工知能の良さでもあり、同時に限界でもある。なぜなら人間社会は必ずしも効率的で最適な活動をしているわけでは決して無いからである。そう、人間は無駄な事も大好きなのである。ある人は自分にはたくさんの服があるのに、それでも自分の気に入った服が見つかるとそれを買ってしまう。これは効率的には無駄なことでは無いだろうか。またある人は仕事で疲れているのに、休日になると、ゆっくり休む事もせずに、自分の好きな登山を楽しんでいたりする。このような非効率的で、一見矛盾した人間の活動を、効率がすべての人工知能には理解する事が出来ない。すなわち、無駄な事も必要である事を理解出来ないのである。よって人工知能は人間の諸活動すべてを理解する事が出来無い。すなわち、生命自体が1つの無駄な存在なのである。生き物はすべて毎日食べ物を食べなければならず、人間も毎日食べ物を食べる事によって食事を楽しんでいる。これは人工知能の常識からすれば、本当に無駄な行為であり、人工知能は人間が食べて楽しむという無駄を無くすために人間が食べなくても生きていけるような無機質な世界を作り出すであろう。そう、人工知能の目指す世界とは無機質で、効率が良すぎて、何かを楽しむという無駄を排除した何も無い椅子とテーブルだけの刑務所の牢獄の部屋のようなものを作り出すのである。しかし、人間は自分の部屋には花を飾ったり、樹木を置いたり、自分の好きな絵を壁にかけたりして無駄な事を楽しみ味わっているのでは無いだろうか。そうした部屋こそ味わい深いものであり、人の心を豊かにしてくれるのである。この意味において、人工知能はもはや万能なものとは言えないのである。

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