今日の箴言
あるキリスト教徒が、罪人達よ、悔い改めなさい、神の王国は近づいたからです。と言って伝道し始めた。すると、それを耳にしたある人が、そんな聖書の何千年も前の話など、今生きている私達には何の影響も与えないし、全く無関係な事だ、と豪語した。それに対して、そのキリスト教徒は、ある例えを用いてこう言った。ある大富豪の夫婦がいました。彼らには子供がいませんでした。それで、彼らは、ある道端に捨てられていた赤ん坊を引き取り、自分達の子供同然のように育てました。その子供は、愛情に満ち溢れて、すくすくと育ちました。そして、その子は成人して大人になりました。彼は自尊心が強く、周りに見られる孤児ややもめを哀れに思い、彼らを援助するボランティア団体に入りました。そして、自分が恵まれていない人達を助ける事に深い満足と誇りを抱いていました。ところが、あることがきっかけで、自分自身が親に捨てられた道端に取り残された子供であったことを知りました。彼はそれを知ると、目の前が真っ暗になり、彼の自尊心はずたずたに引き裂かれ、大声で泣きました。そして、心の拠り所を失った彼は、苦しんで、自殺を図りました。しかし、そのことに気付いた孤児が、すんでのところで彼を助けました。その時、二人は初めて、相手のことを自分自身のように感じ、二人は抱き合って泣きました。そうして彼は本当の愛とは何かを知りました。この例えを聞いたその人は、私も実は孤児なのだ、と言って悲嘆して去って行った。
