今日の箴言
あなたは人とお喋りするとき、僕はこう思うのだけど、と自分の気持ちを述べたとする。すると、必ず相手はそれと反対の意見を述べてくる事に気付いているのではないだろうか。ここで大事なのは、あなたが相手に期待しているのは、相手の意見を聞きたいというよりは、ただ、自分の気持ちに素直に同調してもらいたいのである。自分の気持ちを打ち明けると、相手が、ああそうなんだ、僕もそうだと思うよ、という肯定の答え、言い換えれば、ただ、自分の気持ちを相手に受け止めてもらいたいだけなのである。しかし、大半の人はそこまで気が回らず、自分の主張を言ってくるのである。あなたはそれにがっかりし、不満を覚えることであろう。だから、まず自分の方から先に、相手が何か自分の気持ちを訴えてきたときには、ただ、素直にそれを、そのまま受け止めてあげると良い。そうすれば、いつか必ず、相手も同じようにしてくれるであろう。また、相手の人間が自分とは反対の気持ちを伝えることは、相手に非があって、思いやりに欠けている点もあるが、また別の理由もある。それは倫理の平衡バランスである。人間とは、倫理的動物であるから、本能的に、倫理的平衡バランスを保とうとする。すなわち、他の意見を述べることによって、意見の偏りを無意識に元に戻そうとするのである。だから、あなたの言った意見の反対のことを言ってくるのである。
